“映画はここまで自由になる” 早稲田映画まつり実行委員長が語る学生映画の魅力!

早稲田には日本最多を誇る数の映画サークルがあるのをみなさんご存じですか?そんな映画サークルが合同で開催している“早稲田映画まつり”。本年度で第29回を迎えるにあたって、実行委員長の加藤柚花さんにインタビューを行いました。学生映画の魅力や早稲田映画まつりにかける思いに注目です!

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今年度の早稲田映画まつりについて

 

―“早稲田映画まつり”とはどのようなイベントですか?

「学生映画の祭典として、学生映画を盛り上げるためにいろいろな学生映画を2日間上映しているイベントです。」

 

―今年の早稲田映画まつりのテーマはありますか?

「今までは毎年テーマがありましたが、来年30周年を迎えるにあたり、あえて今年度はテーマを設けないことにしました。テーマに縛られることなく、映画まつりの可能性を改めて掘り起こす年にしたいと考えています。コンセプトを言うとしたら、“新しい発見の年”でしょうか。」

 

―早稲田映画まつりの目的は何ですか?

「早稲田映画まつりは他の学生映画祭のように一番を決めることだけではなく、さまざまな学生映画の良さを多くの人たちに伝えていくことを目的としています。映画を作っている人や映画を好きな人が一堂に会する場所を作り、学生映画をもっと盛り上げていけたらいいなと考えています。」

 

―日本各地にある映画祭の中で、早稲田映画まつりの特色は何でしょうか?

「学生映画を通した“おまつり”にしたいという思いがあり、“早稲田映画祭”ではなく “早稲田映画まつり”とひらがな表記にしています。昨年度も“楽しくなけりゃまつりじゃない”というモットーのもとで運営をしていました。一番を決めるだけではなくて、映画まつりを通して学生映画を盛り上げていく、というところに映画まつりの特色があると思います。」

 

―ここに注目してほしい!というポイントはありますか?

「今年の映画まつりには、コンペティション企画、短編企画、高校生企画の3企画があります。短編企画では、ひとつのテーマをもとに制作された全8作品を上映します。同じテーマからどれだけ様々な映画が生まれ得るのか、というおもしろさに注目してほしいです。今年度のテーマは「欲」なので面白い作品が集まると期待しています。高校生企画は、現役の高校生が作った映画を上映するという企画で、はじめての試みです。この2つの企画が学生映画の魅力を知るという意味ではとてもおもしろいのではないかと思っているので、是非注目してみてほしいです!ですがコンペティション企画で最終審査まで残った作品もかなりいいものが多く、全ての企画の全ての作品が見て損はないレベルのものに仕上がっていると思うので、やはりぜひ作品を観てほしいという気持ちです。」

 

―どのような学生に来てほしいですか?

「普段から映画が好きな人はもちろん、学生映画を観たことがない人にも来てほしいです。学生映画は商業映画とは様相が異なり、一つの文化だと思っています。入場無料なのでふらっと観に来ていただけたらと思います。」

 

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学生映画について

 

―商業映画と学生映画の違い、学生映画の良さとは?

「商業で働いたことはないのですが、個人的に商業映画はチームや部署が決まっていたり、予算などの関係もあったりと多くの面で拘束が多い印象があります。学生映画は自由で自分らしい表現がいくらでもできて、作った人の思いがこもっています。また、金銭面においてほとんどが自己負担という部分や、キャストスタッフの多くが監督をつとめる人のために有志で参加してくれているのも学生映画の特徴だと思っています。その点を考えると、ひとつの映画ができるまでに関わる人々が皆利益などは考えずに子を産むような苦しみを経ている分、かなり熱量のある作品が多いのではないかなと思います。現在東京メトロの早稲田駅に貼られているポスターのキャッチコピーにも“映画はここまで自由になる”とあるのですが、そういう力強さがあるところが商業映画との違いだと思います。また、商業映画では流せないようなクオリティの作品でもおもしろいものはたくさんあるので、それが学生映画ならではの良さではないでしょうか。」

 

―学生映画祭をやる意義とは?

「私たち運営側としては、これだけいい映画がたくさんあるのだからそれをより多くの人に知ってほしい、という気持ちを持って毎年開催しています。早稲田映画まつりは賞金も出ないので、グランプリという名誉のために参加者の方たちは頑張っています。学生映画にかける気持ちというものが早稲田映画まつりには色濃く出ているのではないかと思います。」

 

―映画を作っている学生にメッセージがあればお願いします。

「私自身も映画を作ったことがあるのですが結局お蔵入りになってしまったんですよね。でも今思うと本当に惜しいことをしたと思っていて…途中で自信も編集する気力もなくなったりして、諦めそうになったりすることもあると思います。でもできた作品は自分の心の表れであることは間違いないと思うので、今まで作ったどんな作品を大事にしつつ、これからもどんどん新しいものを作っていってほしいなと思います。」

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早稲田映画まつり運営について

―今までの映画まつりとの違いはありますか?

「昨年度までは特別イベントとして商業映画の試写会を行っていたのですが、今年度は“早稲田映画まつりは学生映画の祭典だ”ということをメインに押し出していくために商業映画の試写会はせず、その代わりに短編企画と高校生企画を行うことにしました。」

 

―従来の映画まつりが抱えていた問題はありますか?

「イベントを運営しているのが映画サークルの人間のため、イベントの運営に対するノウハウがなく知名度が低かった、という点がずっと抱えていた問題点でした。」

 

―問題改善のためにどのような方策を行いましたか?

「今年度はメトロにポスターを設置したり、アトリウムジャックを派手に行ったり、チラシの枚数を増やしたりなどと広報面を強化しました。また、学内の人に知ってもらうためにいろいろなサークルとコラボのような形で協力をお願いしています。例えばFMwasedaさんで番組に出させてもらったり、多くのフリーペーパーサークルさんに記事を書いていただいたりしています。学生への認知を上げるだけでなく、外部の人に向けては頻繁にツイッターを更新するようにしたり、映画館や商店街にビラを置かせてもらったりなど、自分たちの足を使って地道に広報を進めています。」

 

―映画まつり運営にあたっての苦労はありましたか?

「運営の幹部が誰もイベントの運営に関わったことがなく、最初は本当に手探りのような状態でした。ですが一年かけて準備を進めて行くうちにみんなのモチベーションもスキルも上がっていき、実現が難しいと思っていた早稲田駅にポスターを設置するなどといったことも実現することができました。苦労はあったのですが、その分成長できたのではないかと思っています。」

 

―映画まつりを運営することのやりがいは何ですか?

「早稲田映画まつりは映画の制作母体と運営母体がほとんど一緒なので、運営者側も出品されている学生映画をすごく愛しています。自分たちの好きなものをどうすれば多くの人に知ってもらえるのかというところにすごく力を入れてきたので、それが一つのやりがいだったのではないかと思います。」

 

―早稲田映画まつりにかける思いをお願いします!

「実は第29回というのは国内で最多開催数の学生映画祭なんです。できれば日本一の学生映画祭にしたいと思っているので、もっと多くの人に知ってもらい、多くの人に来てもらえるように頑張っていきたいです。学生映画には学生映画の良さがあると思うので、映画が好きな人にはぜひお気軽に足を運んでいただきたいです。どれだけ口で言っても始まらないので、まずは学生映画を観てください!」

―ありがとうございました!

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今年度第29回を迎える早稲田映画まつり。学生映画を盛り上げたい、という実行委員長さんの気持ちを強く感じました。たくさんの映画が上映されるので楽しめること間違いなし!今まで学生映画を観たことがなかった人もこの機会に是非足を運んでみては?

 


第29回早稲田映画まつり
開催日:2016年12月23日(金祝)、12月24日(土)
開催場所:早稲田大学記念講堂
イベント内容:コンペティション企画、短編企画、高校生企画の3つを軸に、2日にわたり学生映画を上映。
主催:早稲田映画まつり運営委員会
参加団体:■映画研究会 ■映画制作グループ☆ヒグラシ ■映像制作サークルCINEMANIAX  ■映像製作集団浪人街 ■シネサイクル叛頭脳 ■CINEMAX SIDEVARG ■シネマプロダクション ■稲門シナリオ研究会 (五十音順)
ホームページ:http://wasedanoeiga.webcrow.jp/index.html
Twitter :@waseda_film_fes 


 

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