もしも早稲田にゾンビが現れたら

 

ゾンビの特徴 ─ABOUT ZOMBIE─

来るべき終焉に備えて、諸君は何に対して生き残らなければならないのかをまず学ぶべきだ。

昨今の研究により解き明かされたゾンビの特徴を説明しよう。まずゾンビは人間より嗅覚と聴覚において秀ででいる。匂いを嗅げば我々との距離を瞬時に把握し、音を聞けばすかさず集まってくる。しかも一度嚙まれたら、我々もたちまち感染しゾンビの仲間入りだ。これらは脅威であり、ゾンビに太刀打ちするのは困難に思えるであろう。だが安心してほしい。ゾンビにも弱点はある、脳こそがそれだ。逆に脳さえ破壊してしまえば生ける屍者を永遠に葬ることができるのだ。

武器 ─WEAPON─

ゾンビと戦う時、もっとも危険なのは近接戦だ。一度でも噛まれてしまえばゲームオーバーだし、倒すのに時間がかかると相手も集まってくる。リスクしかない近接戦を余儀なくされた場合、諸君は武器を手に取り立ち向かわなければならない。そんなとき、役に立つのが『六法全書』。単価は12,960円と高めだが、『六法全書』は鈍器のごとく硬く、そして時には法を我々に提示することで人間らしさを維持させてくれる。法を綴った『六法全書』は武器として活用することで、たちまちアウトローな対ゾンビ兵器と化すのだ。是非1冊は持っておこう。

友を疑え ─DO NOT TRUST FRIEND─

荒廃した世界において、本当に危険なのはゾンビではなく対人関係ということを覚えておいてほしい。非リア充と偽るリア充や、テスト前は勉強していない風を装って、確実に単位を回収する者は特に要注意だ。彼らはいつ裏切ってくるかわからない。ゾンビに対してだけでなく、自分の周りへの注意も絶対に怠ってはならない。常に友を警戒せよ。

避難場所 ─SAFE ZONE─

ゾンビが早稲田で大量発生した場合、果たしてあなたはどこに逃げなければいけないのだろうか。食堂と思い浮かんだ君、それは危険な選択肢だ。セオリーとして覚えていてほしいのは「人が集まるところにはゾンビも集まってくる」ということだ。ではどこに集まればいいのかというと、その答えは早稲田大学3号館12階である。早稲田大学のキャンパスのなかでも高さで秀でた3号館はゾンビを上から見下ろすのにもってこいだ。そして12階は教授室として個室にわかれているため、多くの人間をストレスなく収容できる。セブン・イレブンなどがある1階は放棄し、エスカレーターと階段さえ塞いでしまえば、ゾンビの侵入は防げる。各階に備え付けられているトイレからは、非常時の水を確実に確保することができるだろう。加えて、建て替えられたばかりの綺麗な内装は、前向きな精神状態を保つこと(これはとても重要である)に有効である。また3号館の入り口は、重量感のある扉の次に自動ドアがあり、その次にもドアがあるという三重構造だ。自動ドアの電源を落とせば。あれは堅い防御壁となるだろう。

SNSには気をつけろ ─BE CAREFUL FOR SNS─

一見するとたくさんの情報を集められるように思えるSNSだが、実はTwitterには誤った情報がはびこり、下手すると危険な場所に自ら足を踏み入れることになるかもしれない。また、snowをやって夢中になっている隙にゾンビが一緒に写り込んで来るかもしれない。歩きスマホなんでもってのほかだ。歩きスマホをする人を「スマホを持ったゾンビ」と形容することがあるが、本当のゾンビに変わるのも時間の問題である。

装備 ─ARMER─

我々一般市民による対ゾンビチームの装備は、軍隊のそれに倣うべきだ。理想的な装備は、ゾンビに噛まれずに俊敏性を維持できるものである。しかし身近にそんなものがあるだろうか、あるのだ。アメフトの装備こそ、これにあたる。あのヘルメットさえ被ってしまえば、ゾンビに噛まれることはまずない。アメフト部員、若しくはアメフト部の友達をもつ君、それはすでに大きなアドバンテージである。

立ち入り禁止区域 ─DANGER ZONE─

ゾンビが大量発生した場合、絶対に立ち寄るのを避けたい危険な場所がある。まず最も安全そうだと人が考える場所、例えば警察署や病院などに逃げ込むのは実は一番リスキーだ。人が群れとなって駆け込み、混乱、暴動がおき感染の連鎖を引き起こすであろう。加えて、危険な場所は早稲田にもあることを覚えておこう。まず大隈講堂だ。緊急事態になると、人は集まって生存方法を話し合いがち。しかし少し立ち止まって考えてほしい。大隈講堂は構造上、出入り口が一方向の壁にしかないのだ。もし大量の群集の中に感染者が紛れていたらどうなるか、それは言うまでもない。また、別の理由で危険なのが大隈銅像周辺と各学部ラウンジだ。記憶や意識がないゾンビにも帰省本能がある。愛校心の強い模範的な早大生だったゾンビは大隈銅像に集まり、俗にいうラウンジ民はゾンビになってもなお、ラウンジに屯することになるだろう。

留学しろ ─GO ABROAD─

ゾンビについて学ぶ上、留学は最も有効な手段のうちの一つだろう。海外におけるゾンビへのリスクマネジメントは日本のそれよりはるかに秀ででいる。特にアメリカ人はゾンビに対しての意識が高く、現に筆者のバイブルである『ゾンビサバイバルガイド』もアメリカ人が執筆している。

生き残れ ─NEVER GIVE UP!!─

今までゾンビに対する生存術を述べてきたが、これはまだほんの一部である。いつかゾンビが発生した時に備え、常日頃からゾンビへの警戒を怠ってはならない。我々は絶対に希望を失ってはならない。あきらめるな。そして生き残れ。

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