早稲田大学第一応援歌「紺碧の空」を徹底解剖

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皆さんこんにちは!ワセアド編集部です!

早稲田大学第一応援歌『紺碧の空』の誕生秘話がNHKの朝ドラで取り上げられ、俄かに注目を集めていますね!トレンド入りしたとかしてないとか。

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NHK連続テレビ小説『エール』より、早大生が紺碧の空を歌う様子。

元々、『紺碧の空』は六大学野球 春の早慶戦のために作られた曲でした。得点が入る度に全員で立ち上がって『紺碧の空』を歌う光景は、まさに春の風物詩の一つでしたよね。

延期になってしまったのが寂しいです。8月に開催する方向を模索しているそうですが、なんとか実現できればいいですね……!

さて、今でこそ早稲田の応援歌の代名詞である『紺碧の空』ですが、元々は第六応援歌として生まれたというのはご存知でしたか?

このように早稲田生に愛され、早稲田を象徴する歌『紺碧の空』について、徹底的に調べてみました!

↓↓合わせて読んだらもっと早稲田を好きになる?

早稲田大学校歌「都の西北」を徹底解剖

「紺碧の空」の歌詞を分析!

紺碧の空

早稲田大学第一応援歌
作詞 住治男(1909年 – 1936年)
作曲 古関裕而(1909年 – 1989年)


紺碧の空 仰ぐ日輪
光輝あまねき 伝統のもと
すぐりし精鋭 斗志は燃えて
理想の王座を占むる者 われ等
早稲田 早稲田
覇者 覇者 早稲田


青春の時 望む栄光
威力敵無き 精華の誇
見よこの陣頭 歓喜あふれて
理想の王座を占むる者 われ等
早稲田 早稲田
覇者 覇者 早稲田

分析

まず、「紺碧の空」とは、深く青い空のこと。紺碧という色自体はやや黒みがかかった青色のことを指します。

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まるで宇宙まで透けて見えるかのような、雲一つない初夏の青空を彷彿とさせる青色ですね。

また、「光輝」とは「名誉に富む」という意味があります。つまり、「光輝あまねく伝統のもと」とは、「全てにおいて名誉に富んだ(早稲田の)伝統のもと」という意味になります。

一番の歌詞を意訳するとこのような感じ↓↓↓

「雲ひとつない青空に、真丸な太陽が照っている。名誉に富んだ早稲田の伝統の元、野球の精鋭たちの闘志も燃えている。俺たちは正々堂々と闘い、覇者となる者だ!早稲田!早稲田!」

だだっ広い青空の下行われる早慶戦の情景と、対比する応援席の密度や熱気がありありと目に浮かびますね。

先に生まれていた『若き血』における「陸の王者慶應」に対して、「覇者早稲田」と対抗したのが、なんとも早稲田らしい部分だと言えますね笑

 「紺碧の空」の誕生秘話

元々、日本における組織的スポーツ応援は、1905年秋の第三回早慶野球戦で、約200人の早稲田応援団が燕脂の「WU」旗を振ったことに始まるそう。

一方で、応援歌を用いての応援は昭和2年の慶應義塾の『若き血』に先を越され、球場の雰囲気に押された早稲田は慶應になかなか勝てない時期が続きました。(屈辱的…)

昭和2年、3年と慶応が全勝。4年の3勝3敗をはさんで、5年も慶応が春秋4連勝という一方的な記録を打ち立てています。

そこで早稲田応援団は昭和6年、全学生を対象に歌詞を募集し、住治男作詞の『紺碧の空』を一文字の修正もなく採用しました。

作曲をしたのは、当時無名だった古関裕而。朝ドラでは、中々曲を書き上げられないまま早慶戦前日になってしまい、一晩で作り上げたというエピソードが紹介されていましたね

この古関裕而さんは、その後、阪神タイガースの球団歌「大阪(阪神)タイガースの歌(六甲おろし)」、読売ジャイアンツの球団歌「巨人軍の歌(闘魂こめて)」をはじめとして約5000曲を世に残したと言われています。

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ちなみに、慶應義塾の応援歌『若き血』自体が、早稲田大学校歌『都の西北』に対抗して作られたものだそうです。

『若き血』の作詞作曲を手掛けた堀内敬三は、「『都の西北』は四拍子だから歌いやすい二拍子にしよう。グラウンドで歌うのだから何度も歌えるように一番だけにしよう」と言っていたそうです。

早慶の対抗意識は、はるか昔まで遡ることができるんですね。
 

「紺碧の空」歌ってもらってみた

紺碧最高!早稲田最高!

…でも実際早大生ってみんな歌えるの??

というわけで筆者の友達にいきなり電話して歌ってもらいました。

皆さんもこの先を読む前に一回歌ってみてください!

①早大学院出身 O君

え〜今寝てたんだよ……(ごめん)。紺碧の空? 俺野球部だったから歌えるに決まってんだろ……

紺碧の空 仰ぐ日輪
光輝あまねく、あれあまねくだっけ… 伝統のもと
すぐりし精鋭闘志あふれて
日頃の王座を占むる者我ら
早稲田早稲田 覇者覇者早稲田

ミスりまくってますね。寝起きとはいえ、いきなり聞かれたらうろ覚えになってしまうものなんでしょうか。最初の自信はどこからきたんだよ。

②一般入試 M君

え、突然なんすか。え、なんだったけな。

紺碧の空 仰ぐ日輪
清く気高き栄光の空
すぐりし精鋭闘志は燃えて
栄光の王座を占むる者我ら
早稲田早稲田 覇者覇者早稲田

ん〜微妙に違う!即興で「清く気高き栄光の空」なんていうそれっぽい歌詞が思い浮かぶことが逆にすごいですよね。

全然違うのに。電話越しに彼は堂々と歌ってくれました。「栄光の」というワードが好きなんですかね。

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終わりに

いかがでしたか?

読者の皆さんも、『紺碧の空』の歌詞でうろ覚えな部分があったんじゃないでしょうか。(ちゃんと歌えました??)

歴史を知ることで、より早稲田を愛せるようになる。

この記事がそんなきっかけになってくれたら嬉しいです。

余談ですが、1933年の早慶戦では、9回表に、興奮した三塁側早大応援席から選手に向かってリンゴの芯(梨だとする説もある)が投げ込まれたことで、大乱闘に発展。早慶戦がなくなるんじゃないかと言われるほどの騒ぎになったそうです。

「リンゴ事件」(名前可愛い)という名前までついて、wikipediaにまとめられているので、よかったら検索してみてくださいね。

それでは!

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