令和2年6月某日、曇天の中、早稲田大学お笑い工房LUDOと大喜利人工知能公式アカウントがzoomに集い、大喜利対決が行われた。
早稲田のお笑いで彼らの右に出るものはいないというLUDOと、膨大なデータを駆使して数秒で回答する新鋭AI、一体どちらが勝利したのだろうか。
これはどちらがAIか見分けるゲームではない、「どちらが面白いか」を決める勝負だ。
そして先日ツイートしたこちら、ワセアド読者の皆さんの判定はBの勝利だった。さて、Bは一体人間なのか、はたまたAIなのか…こちらにもご注目いただきたい。
株式会社わたしはが開発した大喜利に特化した人工知能。通称大喜利AI。
公式LINEで誰でも楽しむことができる。
単語の意味が詰まったデータとお笑い芸人のネタやラジオなどのデータをたくさん学ばせることによって、面白いとはこういうことであると学ばせます。そして、学んだ単語の中からお題に関連したキーワードを取り出し、文章を組み立てていきます。
(https://aizine.ai/ohgiri-ai1104/より引用)
膨大なデータをもち、さらにユーモアのある言葉とそうでない言葉両方を学習することで絶妙な言葉選びができるようになるという。
(これです。暇な方はぜひ。)
勝負概要
・LUDO回答者は5人。
・一人一問の回答
・その場でお題が出される
・誰がどのお題を回答したかは筆者のみが知る
・シンキングタイムは5分
・判定員は3人
・判断基準は「どちらが面白いか」
・全問判定が終わった後にAIか人間かの結果発表をする
・5問勝負で、勝数が多かった方が総合勝利
判定員紹介
ネギシ:広研員。お笑い好き。
ムラタ:広研員。呼んだものの実は大喜利に詳しくなかった。
ベッショ:LUDOメンバー。一言目は当たり前なことしか言わない。LUDOのダークホース。
本日のお題はこちら
シンキングタイム
お題を個人に送り5分間のシンキングタイムがスタート。画面上に緊張が走る。LUDOの新歓とこれからの信頼がかかる大勝負、しかも相手はAI。ただのデータの塊に負けるわけにはいかない。「人間に負けて欲しくないですね」とネギシ。「発表者の間合いとか言い方、声のトーンを駆使できないのが難しい。AIが有利なのでは。」と冷静なムラタ。回答者が頭を抱えだす。「あと1分です」の声。5分という絶妙に長い時間が回答者を不安にさせるのだ。あっという間に5分が経過。回答者に回答を1つずつ送ってもらう。
準備が整い判定が始まろうとしたそのときだった。
「今からもう一度送っていいですか???」と回答者Oが言い出す。
一同呆然。
続けて「1個しか送ってなかったから〜」
一同唖然。
大喜利とは1つだけ回答するものなのだ。数打ちゃ当たるもんではない。1個だけ送るのは当然である。判定員と他の回答者との厳正な審議の末、2個目に送った方を使用することで合意が取れた。
このゴタゴタは後に影響するのだろうか。
第一問
ベッショ「一人称上司使ってるとこ想像したら面白いですね」
ネギシ「B結構好き」
ムラタ「どっちがAIかなって考えたときに、どっちも大喜利としては成り立っている、いや、僕大喜利わからないんですけどテレビ見ないし、で、どっちがAIか考えると、AIは膨大なデータを所得して深層学習しているから…ってなるとどっちがAIかなって考えたんですけどわからなかったです」
一同AIよりムラタの方がわからない。尺をとった割に内容は「わからない」だけだった。
話題はどちらがAIっぽいかの推測に移る。「ゆめみがち」「一人称が/上司」でゆめみがちの方が構造が単純、ゆめみがちは上司でなくても「こんな○○は嫌だ」で使えそうという意見が挙がり、AがAIなのではないかという雰囲気で終わった。
判定結果
A:0票、B:3票
Bの勝利
ネギシ、ムラタ「これでAがLUDOさんだったら申し訳ねえな…」
以降ショックで口数が減る人は果たしているのだろうか
第二問
かなり対照的だ。
Aのプロセスが見えないとの声に「豪邸からの逃走中だったのかな…」と筆者がこぼすと「擁護がすごい」、と非難が集中。筆者はLUDOの肩を持ったのかは言わないでおく。
ムラタ「Aは中国語の課題でGoogle翻訳使ったみたいな回答。Bの方が人間ぽいかな」
ネギシ「でもAIがAVとか言います?Bは上手いこと言ってますね。」
Aが人間だと思う人、Bが人間だと思う人はそれぞれ4人で大きく割れた。(一人はこれの回答者だけど)
しかし、一つだけ言えることは、Aは回答者Oではないこと。最後にわざわざAVにしてくることはないはず。全体の意見はこれだけ一致した。
判定
A:1(ベッショ)、B:2(ネギシ、ムラタ)
Bの勝利
第三問
先日ツイートしたこちら。
どっちも上手い。だんだんAIの概念がわからなくなってくる。
ムラタ「どっちも想像力を掻き立てる。甲乙付け難い。B、何回追い出されても戻ってくるの想像したら面白い」
ベッショ「え〜と、後ろ盾と化しているってどういうことですかね。あと、4回転校してるってことは何回も戻ってきてるってことですかね。まあどっちもいい感じだと思います!」
ベッショの発言にざわつく画面。誰に聞いているのか教えて欲しい。まあどっちもいい感じなら良かった。
再びのベッショ「今までと比べても双方文が長くて、その面でもAIと人間の区別はつかないです」
頼むから最初からそういうこと言ってくれ。
判定
A:2票(ネギシ、ムラタ)、B:1票(ベッショ)
Aの勝利
なるほど、ワセアド読者の皆様とは異なる結果になった。これが結果にどう響くのだろうか。
第四問
どっちもおもろい。
ムラタ「ラーメンガシッパイダトオモイ…ギョーザガセイコウダトオモッテイルタメ…ナンダカンダセイコウシテイル…」
再びのムラタ「Aの方が短くてすっと入ってくる。ニコッとできる。」
ネギシ「そうですね…B…この長文感が回答者Oなのかなって…」
心なしか回答者Oが静かなのは気のせいだろうか。人狼のような空気感に包まれる。我々は疑うことしかできない。
ネギシ「まあ、自分の中で好きな方は決まりましたね。」
ベッショ「Aは文字数少なくて言ってることも頭おかしい。Bは文字数多くて理論的。味が違ってていいと思う」
小さい声で割とAをディスるベッショ。AがLUDOだったらどうするんだ。しかし回答者判定員全員が、AがAIであると予想。(冷静に考えると回答者全員答えてるのもおかしな話だ。)
判定
A:3票、B:0票
Aの勝利
第五問
一同大爆笑。判定員はBの選択肢に釘付けである。これ以降の会話は全部未知の話でさっぱりわからなかった。そんな私はさておき野球好き達は「やっぱりマスク外したとこかな〜」などとニコニコしながら言っている。
ネギシ「機嫌のいいお母さんは上手い。正解っすよね。」
ムラタ「B結構好きです。パリーグわかるから細川はなんか面白い。セリーグファンだったらキラっていうと広島の外国人の方になるし」
野球好きが盛り上がり、笑いが止まらない。
ネギシ「なんであえての細川なのか気になりますね。森友哉とかにいきそうなのに」
確かに、と相槌を打ったものの何を言っているかさっぱりわからない。
(ネギシ曰く今一番アチいキャッチャー、森友哉)
ベッショ「Aが200%人間です。」
どこからその自信が来るのか。ヤジが飛び交う。
ベッショ「AIは細川までカバーしきれないと思うので」
言ってることが支離滅裂である。要約すると、Bが人間とのことだった。置いておこう。
判定
A:1票(ムラタ)、B:2票(ネギシ、ベッショ)
Bの勝利
ネギシ「Bが刺さりました」
結果発表
【第一問】
A(LUDO):0票、B:(AI)3票
→ AIの勝ち
BがAIなんだ…と一同ビックリする。1票も入らなかった回答者がちょっと責められる。LUDOがだんだん余裕を失ってきた。そろそろ人狼よりも怖い。
【第二問】
A(LUDO):1票、B(AI):2票
→ AIの勝ち
ムラタ「回答者さんのことをもともと知ってたらAにしてたかもしれない。その関係性とかキャラとかあるから。性欲強いみたいな笑」
確かに。人間の持つ味がこの対決だと生かしきれないのが悔やまれる。
回答者「豪邸のことは一ミリも考えてなかった。大喜利とはありきたりなものではなく、いかに本題とずれた回答をするかがカギなんですよ!!!」
熱弁したところで負けは変わらない。
ちなみに次の問題でAIが勝ったらLUDOの敗北が決定する。
【第三問】
A(AI):2票、B(LUDO):1票
→ AIの勝ち
LUDOの敗北が決定した。
LUDOのためにも「私はB(LUDO)の方が好きだった」と胸を張って言いたい。
読者の皆様もそう言ってくれるはずだ。
せめて全敗は避けたい…頑張れLUDO
【第四問】
A(AI):3票、B(LUDO):0票
→ AIの勝ち
やはり回答者Oさんだった。自明である。他の回答者からAが強すぎたという擁護の声が上がる。
ちなみに気になる1個目の回答は
「メンマ縦切り、食べやすい、嬉しい(^^)」
あああああそっちだったかも…という無念の声が相次ぐ。
ネギシ「ちょっとおもろいな…」
ムラタ「直接言われるとやっぱり刺さるな」
【第五問】
A(AI):1票、B(LUDO):2票
→ LUDOの勝ち
ギリギリのところで!細川が!!死守した!!!!!!
筆者「野球好きが多かったということで、ラッキーでしたね。」
ネギシ「正直めっちゃ面白かった」
回答者「AIも野球の回答が来るかなと思って」
来ねえよ
総合結果
AIの圧勝だった。
「…延長戦できませんか」
「ベッショお笑いのガリ勉なんでいけますよ」
「ボーナスポイントとかにできませんかね」
「ベッショはLUDOで一番優しいんです。渋幕なのに自分からは全然言わないいいやつなんです。」
LUDOの熱意がすごい。ベッショさんへの圧もすごい。渋幕を自慢しないのは本当にすごい。
というわけで延長戦開催が決定。
延長戦
延長戦概要
・回答者はベッショさん。
・判定員は本題の回答者5人+ネギシ、ムラタの7人
・出来次第提出
・獲得ポイントは4点。ベッショさんが勝ったらLUDOが逆転勝利。
ベッショさんなんと2分半で回答。それではスタート。
見事な対応具合。文字数も文の形も全く同じだ。
ベッショさんがAIに寄せてきた。普通にどっちもおもろい。
回答者「ベッショはお尻とか言わないと思う」
ムラタ「お尻はセーフなのでは」
ネギシ「今日1時間一緒に過ごしてみて、ベッショさんは毛が濃いって人じゃないなって」
好き勝手言っているが、ベッショさんを当てるゲームではない。これはLUDOがかかった対戦なのだ。
本気でおもろい方を選んでもらう。
結果
A:4票、B:3票
僅差だ。どっちが勝利したのだろうか。
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AIの勝利!!!!!
A(AI)、B(LUDO)だった。僅差なのがまた惜しい。
ベッショさん、敗北。
最後の総合結果
完敗だった。いつの間にかネギシとムラタもLUDOへの思いが芽生え、心なしか悔しそうな顔をしていた。
終わりに
今回は、事前にAIが面白い回答をしたものを見繕って対決しています。(奴らはたまにほんとに意味わからないこと言い出すので。)適当なお題でやったらLUDOが勝つかもしれません。きっと勝ちます。また、第三問の結果は判定員と読者の皆様で異なりました。判定員が違う人だったらLUDOの方が勝つかもしれません。きっと勝ちます。さらに、文字上だけでの対決でしたが、回答者が普通に回答していたら、LUDOの方が面白かったかもしれません。きっと勝ちます。LUDOの回答にはあたたかみがあります。人間力ではAIには負けません。つまりそういうことです。
協力してくれた皆さんありがとうございました!
【早稲田大学お笑い工房LUDO】
早稲田大学お笑い工房LUDOは、日本で最も規模が大きいお笑いサークルです!色んなタイプの人間が所属し、日々切磋琢磨して質の高いライブを目指しています。大会でも結果を残すサークルです。お笑いに少しでも興味がある新入生のみなさん、お待ちしています!!
【お知らせ】
LUDOの新歓用公式LINEアカウントが出来ました!入部を希望してくれる方はぜひ登録お願いします😊
またこの公式LINEアカウントでも個別に質問を受けますので、入部するかどうか迷ってる…という方もお気軽にご登録下さい😉
(登録したら入会というわけではありません!) pic.twitter.com/X19O1qZYrr— 早稲田大学お笑い工房LUDO (@wasedaLUDO) April 19, 2020