毎日暑い日々が続く中、皆さんどのようにお過ごしでしょうか?
昨年突如現れた、学部学年や人数すらも不詳の、匿名性が非常に高いこのアカウント!一体何者なんでしょうか…?
今回のWASEADでは、6000人近いフォロワーを誇り早稲田大学最大の学生メディアとも思われる、じーおくん(@giiokun)の中の人にインタビューしてきました!
その正体や活動の中身に迫ってみます!
※以下インタビュー。インタビュアーの部分は黒丸から始まる斜体、じーおくんの部分はかぎかっこで表示されています。
●本日はよろしくお願いします。
じ「こちらこそ、よろしくお願いします。」
●じーおくんって本当にいるんですね…、いつもツイートしか見ないから、こうして中の人の声を聞けるのがなんだか不思議な感じです!(今回のインタビューは、zoomにて声のみで行わせていただきました!)
じ「普通にいますよ!(笑)僕たちも結局、早稲田の1学生にすぎないですからね〜。」
じーおくん自己紹介
●じーおくんの中の人の存在を実感したところで!それではまず、じーおくんの自己紹介をお願いします!
じ「初めまして、じーおくんと申します。勝手にですね、早稲田大学の非公認マスコットキャラクターを名乗らせてもらってます!(笑)
主な活動としては、LINE@とかインスタ(@giikochan)もやってるんですけど、基本的にTwitter でゆるく楽しく活動させてもらってます。
Twitterのトプ画から分かるように、僕たちは早稲田の学生に寄り添うただの白くまです。皆さんから届いたマシュマロでの質問に日々答えてる中で、たまに答えづらい質問もあるんですよね。そんな時には、『あんまり難しいことは分からないんです…、僕たちただの白くまだから…。』みたいな感じで、困ったら白くまのキャラ設定に甘えちゃってますね(笑)」
●なるほど、白くまのキャラ設定がちゃんと活きてる時があるんですね(笑)
いつから始めたの?
●私も以前からじーおくんのことをフォローさせていただいてるんですが、このアカウントの活動自体はいつから始められたんですか?
じ「活動を始めたのは2019年の3月の21日、ちょうどイチローが引退した日でした。たまたまその日にアカウントを作って、イチローの引退会見を見ながら“じーおくんどうやったら伸びるんだろう?”って漠然と考えてたのを今でも思い出します。
イチローが『引退の決断に悔いはない』と言っていて、“自分も悔いが残らないように頑張ろう”ってなりました。」
●始めてから意外と時間が経っていないんですね!それを聞くと、尚更フォロワー数をここまで伸ばしたのがすごい…。始めた時にもちゃんと良いエピソードがあるのが素敵ですね〜!
じーおくんのきっかけ
●この活動を始めようとしたきっかけや理由って、なんだったんですか?
じ「その時ちょうど“SNS アカウントを運用してみたいな〜。人から信頼されて、価値のあるアカウントを作るためにはどうしたらいいだろう。それに対して僕は何ができるんだろう”って考えてたんですよ。その時自分のそれまでの大学生活を振り返ってみて、“困った時に話を聞いてくれる先輩がいたらな〜”ってふと思ったんですね。
ちょうど時期的にも3月で、入学前の1年生がいっぱいる状況で、1年生に大学の情報を提供してみたらもしかしたらTwitter1000人ぐらいフォロワー来るんじゃないかなって(笑)そんな感じで始めてみました。」
●1000人どころか、今や6000人近い規模にまで成長されてるじーおくん…(笑)きっと多くの一年生がじーおくんに助けられたに違いないですね!
じーおくんって実際何してるの?
●この記事を通して初めてじーおくんを知った人や今の一年生とかは、きっとまだどんな活動をしてきたのかピンと来ないと思うので、これまでしてきた実際の活動を教えてください!
(以下全てじーおくん)
- 1.Twitter運用
基本的にはTwitter運用をしていて、軸としては早稲田の人から寄せられる質問に“答えられるもの”は答える、“答えられないもの”は答えられる人を探す、ということをやっています。
そうすることで「質問できる先輩がいない」とか、「友達には聞けない」みたいな悩みを少しでも解消して、彼らの判断の足しにしてもらえればなぐらいの感覚で活動しています。
- 2.飲食店とのコラボ①
他には早稲田の周りの飲食店さんとコラボさせてもらってて、例えば東京麺珍亭本舗(@menchintei)っていう油そばの店あるじゃないですか。そこで去年の6月か7月ぐらいにコラボして、“冷やじーお油そば”っていう限定メニューを作ってもらったんですよ〜。
コラボできたのが嬉しくて、実際に僕も食べに行ったんです。そしたら横の男子学生3人組が3人共冷やじーお油そば頼んでて、写真も撮ってくれてて、「じーおくんすげーよな」みたいな話もしてて!あの時はついつい名乗り出たくなっちゃいましたよ〜(笑)
ネット上で始めた活動が、リアルの人の行動に本当に影響与えられるんだなって初めて実感して、感動しましたね。これはじーおくんやってて嬉しかったことの一つとして今でも覚えています。麺珍亭さん、コラボしてくださって本当にありがとうございます…!またコラボしてください!(笑)
- 3.メンズヘアサロンとのコラボ
他にはJUNES(@junecore_barber)っていう早稲田周辺に3店舗あるメンズ専用ヘアサロンと、最初はその内の1店舗とコラボさせてもらって、ありがたいことにめちゃめちゃ人が来てくれたんですよ!なんか通常は新規で月30人ぐらいしか来ないところ、じーおくんでコラボした時は20日間でじーお経由で110人ぐらい来たみたいで!めっちゃ反響あったおかげか秋からはその3店舗全部一緒にコラボさせてもらったんです!!
髪切ってる時のよくある会話で「最近何してるの〜?」ってあるじゃないですか。あれがきっかけで、学生には中の人は秘密で活動してたんですけど、まぁスタイリストさんだったらいいかと思って「最近ちょっとこういうの始めて、じーおくんっていうくまのマスコットなんですけど、JUNESさんとも協力してなんか一緒にできませんかね〜」って言ってみたら、そのJUNES02のスタイリストの山縣さんが、「いいっすよ!」って即答してくれて。そのままJUNESの上の人に話通してくれたんですよ〜!
- 4.飲食店とのコラボ②
しかもその次のコラボがラーメンGOSSOU(@GOSSOU_official)さんだったんですけど、なんでここだったかって言うと、僕もそのGOSSOUのオーナーも、同じJUNESの山縣さんに髪切ってもらってて!それで「紹介しますよ〜」って感じで連れてってもらって、GOSSOUさんともコラボさせていただくことが決まったんですよ〜。こっちのコラボも結構反響があって、GOSSOUのオーナーさんには今でも仲良くしていただいています…。
- 5.ハロウィンパーティー
あとハイファイブサラダっていうサラダ屋さんを貸し切って、ハロウィンパーティーをやらせてもらったこともありましたね。
早稲田祭直前の時期だったので早稲田王に出演する人たちをゲストで呼んで、既にコラボさせてもらった他の飲食店さんとか美容室の方とかも巻き込んで「早稲田通り全体で一緒に何か一つ、大きいリアルイベントやりましょう!」ってなって、結構盛大に開催したイベントでしたね。それがじーおくんとして初めて対外的に出た瞬間でした。
めっちゃ張り切って、景品にディズニーのペアチケットとか用意したんですけど、もうめちゃくちゃ赤字で…(苦笑)まぁでも、楽しかったからいいんですけどね!!!
- 6.note執筆
後はnoteで思ったことを書いたりインタビューしたりも結構やらせてもらってます。最初はあの有名な早稲田のAV 男優の篠塚康介君(@sinosukedesu)にインタビューした記事が結構バズったり、あと最近で言うと早稲田インフルエンサー図鑑っていう企画でいろんな人にお話聞きに行ったりみたいなこともしています。だから、こうやってインタビューされる側になるっていうのは結構新鮮ですね(笑)
どうしてじーおくんやってるの?
●それらの活動はどんなスタンスでやられてるんですか?
じ「う〜ん、難しい質問ですね(笑)
物申したいわけではないんですけど、自分が大学生として生きてて不満に思ってることがあるんです。それは“大学っていうコミュニティがコミュニケーション能力に依存しすぎてる”っていうことです。この“コミュ力”っていうのは、コミュニケーションを使って自分で利益を引っ張ってこれることだと僕は定義してるんですけど、ここではそのコミュニケーション能力がないと、きっと埋もれちゃうんですよね。
『友達もできないし、先輩もできないし、聞く人がいないから自分一人じゃ分かんなくて結局大学楽しくないし、単位取れないし、人生終わったわ…』って人、実は結構いるんですよ。
僕はありがたいことにコミュ力がある方だったのであまり問題はなかったんですけど、でもこの大学の構造自体にすごい問題があるな…って思ったんです。“大学生ってそんなんじゃなくない?このままじゃ大学生活に持続性がないな”って。そこでコミュニケーション能力がない人に『自責だ』ってスタンスは絶対取りたくなくて。だって持って生まれたものだからしょうがないじゃないですか。
“コミュ力”って一括りにするのもどうかなってところもあるんですけど、じーおくんを作った最初の頃から今もずっと、『そういった“コミュニケーション能力”や人との繋がりがなくても上手く大学生活、それだけでなく人生自体も好転させていけるような仕組みがあってもいいのかな』とは思っています。
情報を持っていない人に情報が行き渡るような、大学の情報の“非”対称性とか不透明なところとかをできるだけ共有してあげて、取り残されちゃう人をなくしたい。それはつまり、じーおくんがパイプになって何かに困ってる人と優しい学生を繋ぎたいということで。
“繋ぐ”っていう同じ観点で言うと、“早稲田の街”と“早稲田の学生”を繋ぐとか、“早稲田の街と街同士”を繋ぐとか。“繋ぐ”というのを一つキーワードにして活動させてもらってますかね〜。」
●これを聞くと確かに、先ほど伺ったじーおくんの活動にも一貫して通ずる部分がありますね。いや〜、友達の少ない筆者としてはじーおくん、本当にありがたいです…。いつもお世話になっています…(笑)
どうして匿名にこだわるの?
●そう言えばずっと気になっていたことなのですが、どうしてここまで匿名にこだわって活動しているんですか?
じ「最初はもうシンプルに恥ずかしかったんですよね(笑)
だって『先輩風めちゃくちゃ吹かせまくっとるわ、あいつ』って同級生に思われるのも恥ずかしいし、例えばキャンパスで僕も普通に早稲田にいるわけだから、『あの人じーおくんらしいよ』って言われるのも恥ずかしすぎるじゃないですか(笑)
でも結局その後もずっとそのスタイルを継続したのは、匿名だからこそ聞けることもあるし、匿名だからこそ話せる内容っていうのもいっぱいあると思ったからなんですよね。
例えば、じーおくんって最初結構“性”のお悩みとかも回答してたんですけど、そういうのってなんか顔や名前が分かってると生々しくて嫌じゃないですか。まぁこれは一例なんですけど、とにかく“匿名であること”がじーおくんの魅力の一つなのかなと思って、“一番近くて遠い先輩でありたい”といったキャッチコピーを掲げて活動させてもらってます。」
●そうして質問する側も回答する側も聞きやすく答えやすい気持ちの良い空間が生まれたわけなんですね。なるほど〜。
じーおくん今後は何する予定なの?
●春学期だけでなく、秋学期もオンライン授業で迎える状態にありますが、じーおくんは今後どのような活動をしていく予定がありますか?
じ「まだ未公開情報もたくさんあるんですけど、ちょっと違うプラットフォームにも進出する予定です…!じーおくんとして、また一つ挑戦していきたいと考えています。あとはTwitterのようなネットだけでなく、もう少しリアルな現実世界に僕たちの方から働きかけられる活動もできたらなと考えているので、まだどういう形になるか分からないですけど、楽しみにしてもらえたら嬉しいです…。」
●おぉ…!今後もじーおくんは進化していくわけですね。今後の活動にも期待大です!何が見れるのか楽しみ!
じーおくんはどうなりたいの?
●これまで述べてきたような活動を通して、最終的にじーおくんはどんな存在になりたいと考えていますか。
じ「大学におけるインフラ、みんなの生活でいう東京電力とか NHK とかそういう風な感じで“大学生のゆりかごから墓場まで”、入学してから卒業するまでじーおくんを通して何らかの形で接点を持ってもらって、結果としてじーおくんに関わった人がちょっとでも幸せになるというか、人生を前に進められる、そんな手助けができる存在になりたいですね。」
最後に
●最後に一言、何かあればお願いします。
じ「じーおくんはTwitter をメインで活動していますが、最近はインスタも積極的に活用しているので、Twitterももちろんですが是非インスタの方もフォローしていただけると嬉しいです!ここまで読んでくれてありがとうございました!」
筆者も1年生の頃から少しお世話になっているじーおくん。一見慈善的なそれら活動の裏には、じーおくんなりのいろんな考えがあったようです。これからも学生だけでなく早稲田の街ごと助けていってほしいです!