大泉幸哉物語

先日行われた、早稲田祭2023の喧騒からもう1週間。

あの祭りの中で、一際輝いた人物がいます。

名を、大泉幸哉。法学部三年、男祭り2023の副代表を務めた男。

彼は企画集団便利舎主催、早稲田王決定戦にて第23代早稲田王となりました。

去年まで早稲田の中で全くと言っていいほど無名だった彼は、如何にして5万人の頂点に立つまでに至ったのでしょうか。

大泉物語第一幕:男祭り2022、その衝撃

 

大泉は去年までノンサー(サークルに入っていないこと)で早稲田に友達はおらず、関わる人もいないし、高校時代の友人と遊んでばかりいました。

授業もろくに行かず、自堕落な毎日。

そんな中、高校の同級生である柳下李啓志が出場した男祭りを二年生になって初めて観に行きました。

大泉は正直ナメていました。アツいとかくだらない、恥ずい。中坊みたいな感じで、ナナメに観ていました。

でもステージが始まれば、何も考えられなくなりました。あまりにもくらってしまいました。

とにかくかっこいい、この一言でした。

早稲田祭が終わり、家に帰って、沸々と。なんか、やりたい。自分も何か残したい。

そして大泉は、やるなら男祭りだと思いました。

 

大泉物語第二幕:男祭り2023副代表

男祭りに出たい。そう決意してから、大泉はとにかく人に言うようにしました。

そうすると、ゼミで知り合った先輩が石橋さん(早稲田王2022)を紹介してくれました。

しばらく経って、「今年の男祭り、お前に参加してもらう」との言葉。

大泉の嬉しさも束の間、「副代表を任せる」。

唐突に、憧れだった男祭りの副代表に選ばれ、副代表という立場に驚きながらも、大泉は二つ返事で了承しました。

 

ですが、大泉はこの時、副代表のことを高校の部活の副キャプテンくらいにしか捉えられておらず、とにかくキャプテンの補佐をするみたいな程度のイメージしか抱けていませんでした。

ですから、活動が始まってからはギャップの連続で、会議中も全然前に出られず、買い出しにも寝坊し、何度も説教されました。

とにかくここで何かを残したい、でも自分の行動が伴っていない。

大泉は先代たち、同期に、副代表としてのあり方を説かれ、自問自答しました。

自分は、副代表として正しいのか?

自分の、大泉としての、副代表とはなんだ?

その時やっと、大泉はなんとなく掴めたような気がしました。

 

大泉物語第三幕:早稲田王、大泉幸哉

もともと大泉は、高校同期の柳下李が早稲田王決定戦に出ることは知っていて、一緒に出たいなとなんとなく思っていました。

そのことも周りには話していたのですが、ちょうどその頃、男祭りと他の団体で飲む機会があり、そこにたまたま便利舎の小林(早稲田王決定戦スタッフ)がいました。

そこで「大泉さん、早稲田王決定戦待ってますから」と一言。

背中を押され、大泉は出場を決めました。

 

しかし、彼は心の奥底で、ずっと葛藤していました。

本当に自分なんかが早稲田王決定戦に出ていいのだろうか。

やっぱり出るのやめようかな。

男祭りの仲間と早稲田祭に向かって取り組む中で、長年早稲田一筋で努力する人間を目の当たりにし、自信をなくしていました。

しかし、そういうやりたいことができていなかった人間を、早稲田は受け止めてくれると大泉は信じていました。

こういう人間でも早稲田なら大丈夫、早稲田の人間なら受け止めてくれる。

ただ、それを皆に伝えるのは自分しかいない。

やりたいことしていいんだよって言いたい。

まず、一生懸命に戦う他の候補者たちに失礼だ。

 

大泉はその時、心から早稲田王になりたいと思いました。

 

 

「大泉!!大泉!!いけぇー!」

舞台袖で出番を待つ、緊張した面持ちの大泉に、仲間たちの声援が降り注ぎます。

 

 

 

『はじめの候補者はコイツだ!!爆誕!髭面新生児!!大泉〜幸哉〜!!!』

 

最後に

 

中の人:将来、どういう人間になりたい?

大泉: 居場所になりたい、笑わせたい。

人に会いたいとされる、人から求められ、与えられる人間がいいな。

極論、それが自分じゃなくてもいいんだけど、誰かが誰かを必要とできる場所を作る手伝いがしたい。

中の人:具体的にいうと、どんな場所のイメージなの?

大泉:学校とか、ライブ、人が集える場所かな。

お互いがお互いを必要として、集まれる場所。

でも、その前提条件は、自分がそうなれるような人間であることだと思う。

 

 

大泉:そうなれるように、もっと大きくなります。

 

 

 

★男祭りとは

 

夢見て魅せる。

一、筋の通らないことはするな

一、人のカルチャーを否定するな

一、妥協するな

一、オモロイ人間であれ

一、早稲田に愛をそそげ

早稲田人がありのままの自分を全肯定できるようになるために『男祭り 義理と人情の五箇条』を信条とし、早稲田文化に挑み続ける団体。

彼らの集大成である早稲田祭では赤ふんどし一丁で夢を叫ぶ。

 

 

★早稲田王決定戦とは

 

早稲田王決定戦とは「企画集団便利舎」という早稲田大学の企画サークルが行っているイベント。企画の趣旨としては、名前のとおり「早稲田大学の王様を決める」ものであり、予選を通過した4人が大隈講堂前ステージ上でさまざまな試練に挑戦し、最後まで勝ち抜いた者が早稲田王……という内容。

大会中行われる「試練」とは、例えば「体にコンクリートブロックをくくりつけて我慢比べプランク(体感トレーニングの一種)」や「ミルワーム(家畜用イモムシ)などの虫が山ほど入った丼ぶりを平らげる」などである。

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