早稲田駅を出てかれこれ15分が過ぎた。3号館にはまだ着かないのか。いつもと同じはずの道が途方もなく感じる。
足が、痛い。
100キロハイク(ヒャクハイ)に出てしまった。やってしまった。
ヒャクハイってなに?って子はこの記事を読んでみてほしい。
簡単に言うと、埼玉県の本庄から我らが母校早稲田までおよそ100キロをみんなで歩いてしまおうという行事だ。早稲田精神昂揚会が運営するこの行事。辛い分だけ達成感があり、早稲田に着いた時のエモさもあり、筆者も大好きな行事なのだが、さすがに少し辛すぎる。「わあ、夜のピクニックみたいで楽しそう!」とか思った子は一回出てみよう。歩きといえど100キロも歩いたら足が痛くてしょうがないのだ。しかも、みんなが1列になって歩くわけではない。もちろん先頭とケツで大きく差が出る。先頭集団は走るのだ。なんだかんだ100キロのうち2割は走っている気がする。ハイクじゃねえじゃん。
そんなこんなで足の激痛に耐えながらゆっくりと授業へ向かっている筆者だが、ふと思った。
「この状態で運動会して勝ったやつが最強なんじゃないだろうか。」
こうしてこの運動会企画は始まった。参加資格はヒャクハイで先頭集団に食らいついていたもののみ。目指すは最強、進め己が信念の旗のもとに。(本当はヒャクハイ前から企画しています。アポとか取らなきゃだからね。)
そんなこんなで始まりました最強を決するヒャクハイ翌日運動会。本日のプログラムはこのようになっています。
①ほぼ50m、徒競走!
②パンがはるか上空にあるよう、パン食い競争!
③蹴れないキッカー動けないキーパー、PK対決!
暦は5月の20日。決戦の地、戸山公園。どんな戦士たちが集まっているのだろうか、、、
誰もこなーーーーーーーーーーーーい
集合時間は12時半。ちょっと早くしすぎたみたい。続々といま起きましたラインが届いてきました。早速企画倒れですが、二日後ならまだセーフということで翌日に延期とします!!
~二日目~
雨ーーーーーーーーーーーー
まさかの警報が出るレベルの暴風雨。僕の傘を返してよお。しかし、今日やらないわけにはいかない。なぜなら参加者の足が完治してしまう。調べたところサークルでも早稲田アリーナを使うことができるらしい。早速予約だ!!
「WASEADさんは会議室しか使えません。」
うおーーーーーーーーーーーーーーい。雨に濡れながら学館まで来たのにひどい仕打ち。もうこの企画をあきらめるしかないのでしょうか。
~3日目~
やはり、あきらめるわけにはいかない。私はヒャクハイのダメージがどんなものなのか知ってほしいだけなんです。しかし、三日目ともなるとなかなか人が集まらない。何人かは完治してしまいました。
ということで、運動会という形式はあきらめ皆さんにヒャクハイのダメージがどれほどのものなのかを知ってもらうために、三日目でもまだ治らない重傷者だけで体力テストをやってみました。(ここからが本番)
今回参加してもらうのはこちらの三人。左からMさん、Hくん、Aさんです。当日急きょ集めたので運動する気ゼロの恰好でやってまいりました。左のMさんは軽傷。右の二人は重症だそう。Aさんは右足に包帯巻いてます。バカなのかな。
今回の種目は①ほぼ50m走②立ち幅跳びの2つ!どちらも足への負担MAXです。
手始めに50m走から行きましょう!!
説明はいりませんね。早速行きましょう。
まずは軽傷のMさんから。自己ベストは7.3だそうです。
それでは位置について、よーーーい ドン!
ゴーーーーーーーーーーーール。タイムは!?
9.86…!!
遅い!!よかった!!企画倒れしなくてよかった!!!3日目と言えど通常時とはえらい違い。ほんとにこれで軽症なのか?と思った方、重症の二人の走りを見てから決めましょう。本当にやっていいのかな。。。
H君のベストは6.4。Aさんのベストは7.0。この企画に参加してくるだけあって全員相当速いですね。
位置について、よーーーいドン!!
ゴーーーーーーール。タイムは!?
18.33…!
二人があまりにも重傷で1種目目にして罪悪感を感じてきてしまいました。二人は自ら志願して参加しています。なんでだろう。
もうすでに限界を迎えているように見える二人を脇目に、立ち幅跳びの準備を始める私。休む間もなく二種目目に行きましょう。
~立ち幅跳び~
二種目目は立ち幅跳び。3人とも自己ベストは覚えていないけど高校時代の記録では10点だったとのこと。ちなみに高校生男子の10点は265cm 女子の10点は210cmです。
「やべえ、50mで膝やったかも・・・」
なにか聞こえたような気がしましたが、無視して準備を進めます。
それでは、位置について飛んでもらいましょう。
まずは、軽症のMさんから。
せーの、
ぴょーんっ
けっこうちゃんと跳んだ!!記録は!?
182cm...!!
自己ベストには遠いものの女子の平均(172.3cm)はなんとか超えました。足が痛いのにすごい・・・
今度は重症のH君です。ごめん、これで最後だから頑張ってくれ・・・
それでは位置について、せーのっ。
「やべえ、怖い。」
これを本気でやったら、さすがにけがをすると悟ったのでしょうか。なかなか飛ぶことができません。しかし、ヒャクハイを制したものにそんな小心者はいません。覚悟を決めて、、、
ぴょーん
wwwwwwwwwwwwwwwwww
なんかもうすみませんとしか言えない。貴族の遊びみたいになってきてしまいました。
さて、記録はどうでしょう。
110cm...!!
小1男児の平均(114cm)を下回る記録。屈強な男をこんなにしてしまうなんて。彼は途中膝の痛みで走れなくなったにも関わらずロキソニンを合計15粒は飲んで先頭に食らいついたそう。なんという根性。無理せず参加すればこんなことにはなりませんよ!!
さてさてみなさんどうでしたか?ヒャクハイの過酷さは伝わったでしょうか?辛いけれども楽しい。否、辛いからこそ楽しいこの100キロハイク。「ヒャクハイは早大生がいないとできないもの(byヒャクハイ実行委員長)」みなさんも早稲田にいるうちに参加してみてはいかがでしょう?
【終】(自分よ、お前が走れ)